防火対象物点検
改正の背景
東海地震、東南海・南海地震や首都直下地震の発生の可能性が高まり、テロ等の脅威が懸念される中、事業所における消防防災体制の強化、自衛消防力を確保することが喫緊の課題となっています。
そうして一定の規模の対象物に対し、大規模地震等に対応した自衛消防組織の設置、防災管理者の選任及び火災以外の災害に対応した消防計画の作成等が義務付けられました。
「防火対象物の定期点検制度」が設けられた(平成15年10月「改正消防法」)
「消防設備点検」とは異なる点検・報告制度です。
政令別表第1(1)項から(4)項まで、(5)項イ、(6)項、(9)項イ、(16)項イ及び(16の2)項に掲げる防火対象物であって、次に掲げるものである。
●Q1:対象となる建物は?
◇10人未満の建物
点検報告の義務はありません
◇収容人員30以上(6項ロに掲げる防火対象物は10人以上)300人未満の建物
特定用途部分が地階又は3階以上に存するもの。
階段が屋内階段が1つしかないもの。
◇収容人員が300人以上の建物
●Q2:点検報告の義務がある人は?
管理権原者です。ひとつの建物に複数の管理権原者がいる場合は、
それぞれの管理権原者に点検及び報告の義務があります。
※管理権原者とは、建物の所有者や賃借人等がこれに該当します。
●Q3:点検を行う人は?
火災の予防に関する専門知識を有する防火対象物点検資格者が行います。
(この点検とは別に、消防設備等の点検は従前通り行う必要があります)
●Q4:防火対象物点検とは?
防火対象物の管理権原者は:防火対象物点検資格者に、防火管理状況・消防用設備等の火災予防上必要 な事項について点検させ、その結果を1年に1回、所轄消防長等に報告しなければなりません。
●Q5:点検報告の義務がある人は?
管理権原者です。ひとつの建物に複数の管理権原者がいる場合は、
それぞれの管理権原者に点検及び報告の義務があります。
※管理権原者とは、建物の所有者や賃借人等がこれに該当します。
改正事項
★自衛消防組織の設置 |
管理権原者は自衛消防組織を設置し、その要員の現状等を消防署長に届け出なければなりません。
なお、自衛消防組織の統括管理者及び本部隊の班長にあっては自衛消防業務講習受講者などの有資格者を配置しなければなりません。
★防災管理者の選任 |
管理権原者は有資格者の中から防災管理者を選任し、届け出するとともに、防災管理上必要な業務を行わせなければなりません。
★防災管理に係る消防計画 |
管理権原者は防災管理者に防災管理に係る消防計画を作成させ、届け出なければなりません。
★ 防災管理点検の実施 |
1年に1回、地震等の災害による被害軽減に関する専門知識を有する防災管理点検資格者に管理の状況を点検させ、その結果を消防署長に報告しなければなりません。
防火対象物点検の流れ
点検詳細
特定の用途に使われている建物(防火対象物) | ||
対象の防火物 | ※上記項目が1つでもあてはまり、 | |
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更に屋内階段が1箇所のみの建物が検査対象となります。 | |
各棟の階ごとの面積(点検結果報告書作成時にも必要となります。) | ||
建物の面積 | 複合用途に於ける点検票の作成は、 | |
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原則として管理権原者を有する防火対象物(テナント)毎となります。 | |
応急措置、救援救護、避難誘導などの防火管理体制 | ||
点検対象 | ·防火管理維持台帳による確認 | |
·建物内の防火管理状況等の確認 | ||
·防火対象物点検報告書の作成 | ||
規模により対応 | ・2日間(規模により1〜2日) | |
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1日目:防火管理維持台帳による確認、建物内の防火管理状況等の確認 | |
点検日数 | 2日目:防火対象物点検報告書の作成、防火管理者と消防機関の対応協議、不備内容についての是正等助言、その他必要事項の指導 | |
不備内容についての是正等助言、その他必要事項の指導 | ||
費用 | 防火対象物の大きさ・用途・管理権原者(テナント)の数により異なる | |
頻度 | 年1回 | |
報告書の提出 | 年1回 | |
必要資格 | 防火対象物点検資格者 | |
消防計画の作成及び届出 | ||
共同防火管理協議事項の作成及び届出 | ○ | |
消防設備の設置届出書 | ○ | |
消防設備点検結果報告書 | ○ | |
消防署届出関係 書類 |
少量危険物の届出 | △ |
(書類関係) | 火を使用する設備・器具の届出書 | △ |
電気・変電設備の届出書 | △ | |
自衛消防訓練の通知書 | ○ | |
その他、消防署への届出書 | △ | |
火気等の日常点検票 | ○ | |
△:該当するものがある場合 | ||
権限を有する者は、防火対象物点検資格者に防火管理上必要な | ||
対象法律 | 業務等について点検させ、その結果を消防長または消防署長に | |
報告する義務があります(消防法平成15年10月1日改定) | ||
·防火管理業務適正執行命令違反【法第8条第4項】 | ||
→1年以下の懲役又は100万以下の罰金 【法第41条】 | ||
·防火管理者選任命令違反【法第8条第3項】 | ||
行わない場合の罰則 | →6月以下の懲役又は50万以下の罰金 【法第42条】 | |
·防火対象物点検報告義務違反【法第8条の2の2第1項】 | ||
·防火管理者選解任届出義務違反【法第8条第2項】 | ||
·点検虚偽表示違反【法第8条の2の2第3項】 | ||
→30万円以下の罰金又は拘留【法第44条】他 |